先の見えない時代だからこそ、自分の志を見つめて、行動すること
「人間というもの」 PHP文庫
司馬 遼太郎 (著) 発売日: 2004/4/1
おすすめ度:★★★
■読み始めたきっかけ
司馬遼太郎の著作は愛読しており、氏の人間に対する洞察、日本人とはどういう歴史と民族性を持っているのかに興味があり、読み始めました。
オムニバス形式、ベスト盤のようにジャンルごとに引用がありますが、個人的には少し読みにくかったです。時間のない方向けの、司馬遼太郎のエッセンスが抜き出されているとの趣旨だと思いますが、個人的には時間を掛けてでも小説を読んで、そこから司馬遼太郎の人間観、日本人感を感じ取る方が深く理解できるような気がします。
■心に残る言葉
p.136 太平洋戦争のベルは、肉体をもたない煙のような「上司」もしくはその「会議」というものが押したのである。
→今の日本企業も同じような状況にあると思います。決裁事項は、「本社」の指示を仰いだり、会議で決めます。その中に「個人の顔」はありません。「会社」として決めたのであり、「個人」で決めたわけではありません。その決定事項が失敗したとしても、「会社」や「会議」が決めたことであり、個人に追求はありません。ただし、終業後の居酒屋で「あのプロジェクトは俺がやった」、「あれは、自分は反対だった」と会社の外で個人の主張が出てきます。
p.144 朱子学が江戸期の武士に教えたことは端的に言えば人生の大事は志であると言うこと以外になかったかも知れない。志とは、経世の志のことである。世のためにのみ自分の生命を用い、たとえ肉体が砕かれても悔いがないというもので、、、
→私も志というものは大好きな言葉です。最近は、リナックスなど無償で協力し合う、ボランティアが起きていると聞きます。参加している人は、「楽しいから」、「かっこいいから」という自分の美的感覚によって、行動していると思います。自分が世の中のためになると思ったことがあれば、何か手伝うことができないかと思うことが志の根幹だと思いました。
p.228 陽気になる秘訣は、あすはきっと良くなる、と思い込んで暮らすことです。
→最近は未来が予想しにくい不確定な時代になっているような気がします。ちょうど、時代の転換点にあるような感じがします。その世の中にあって、自分を生かす術を身につけ、世の中の役に立つことを考える必要があると思います。自分が何ができるのか、それが社会にとってどんな影響があるのか?仕事も家庭についてもそんなことを考える毎日です。ただ、悲観をしてばかりではいけないと思います。逆にいえば、変化はチャンスがあると思います。江戸時代の300年間は変化しないことが大切でした。これからの10年は大きな変化のある時だと、上海に暮らしていると強く実感をします。
■どんな人にお勧めか
人間とは、日本人とは、について考える人
歴史上の英雄の行動から、何かを掴みたい人
長い小説は読む気がしない人
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